徳島県の住宅ローン事情 諸経費 ⑨火災保険料

2024/11/11

徳島県の住宅ローン事情 諸経費 ⑨火災保険料

火災保険料

住宅ローンに係る火災保険料とは、住宅ローンを利用して購入した物件に対する火災保険に加入する際に支払う保険料のことです。火災保険は、火災、自然災害、盗難などによる損害から住宅を守るための保険で、多くの金融機関では住宅ローンを組む際に火災保険への加入が義務付けられています。これは、万が一の災害で住宅が損壊した際に、ローン返済が困難になるリスクを軽減するためです。

住宅ローンと火災保険の関係

金融機関にとって、住宅ローンの返済が滞るリスクを回避するため、担保となる住宅の保護が重要です。もし住宅が火災や災害で大きな損害を受けた場合、住宅の価値が下がり、返済困難になるリスクが高まります。これを防ぐために、火災保険に加入し、災害による損害が補償される仕組みが必要です。

火災保険のカバーする範囲

火災保険は、基本的に火災による損害をカバーしますが、プランによっては以下のような災害やリスクも補償対象となります。

  • 火災:住宅や家財が火事で損害を受けた場合。
  • 風災、雪災、雹災:台風や大雪、雹などによる損害。
  • 水災:洪水や土砂崩れによる損害(オプションとして追加されることが多い)。
  • 落雷:落雷による住宅や家電製品の損傷。
  • 盗難:空き巣や泥棒による損害。

火災保険料の金額

火災保険料は、さまざまな要因によって変わります。以下の要因が保険料に影響します。

  1. 建物の構造
    • 建物が木造か鉄筋コンクリート造(RC造)かで保険料は異なります。一般的に木造建築は火災のリスクが高いため、鉄筋コンクリート造よりも保険料が高くなります。
  2. 保険期間
    • 火災保険は通常1年から最長5年の契約が可能です。過去には35年一括、10年一括がありましたが近年5年が最長となりました。長期間の契約ほど割引率が高く、1年あたりの保険料は安くなりますが、一度に支払う額が大きくなります。
  3. 保険金額(補償額)
    • 建物や家財に対する補償額によって保険料が決まります。建物の再建築にかかる金額や、家財の価値に応じて保険金額を設定します。
  4. 補償内容
    • 基本の火災補償に加えて、風災・水災などのオプションを追加することで、保険料が上がります。どのリスクを補償範囲に含めるかで保険料は大きく変わります。

火災保険の加入が必要な理由

  1. 金融機関の要件:多くの金融機関では、住宅ローンを組む際に火災保険の加入を条件としています。これにより、住宅に何かあった場合でも、住宅ローンの返済が続けられるようにリスクを管理します。
  2. 万が一に備える:火災や自然災害は予測できないため、家を失った場合の再建費用や修繕費を火災保険でカバーすることができます。

保険期間と支払い方法

火災保険の保険期間は通常1年から5年の契約が選べます。長期契約を選ぶと、一度に支払う額は多くなりますが、1年あたりの保険料は割安になることが多いです。また、保険料は一括で支払うか、年払いもしくは毎月分割して支払う方法を選べます。

地震保険料

地震保険料は、火災保険と異なり、政府が関与して全国で同じ基準で計算されますが、以下の要素によって保険料が変わります。

  1. 建物の構造
    • 木造非耐火構造の建物は、地震に弱いため、保険料が高くなります。
    • 鉄筋コンクリート造(RC造)などの耐火構造の建物は、地震による損害が比較的少ないとされ、保険料が安くなります。
  2. 所在地(都道府県)
    • 住んでいる地域の地震リスクによって保険料が異なります。地震が発生しやすい地域(関東地方や東海地方など)は保険料が高く、リスクが低い地域(北海道や九州地方の一部など)は保険料が比較的安く設定されています。徳島県は南海トラフ巨大地震の想定区域となっていることもあり、最もリスクの高い3等地に区分されています(別表1)
  3. 保険金額(補償額)
    • 火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で地震保険の保険金額を決めることが可能です。ただし、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度となってます。

(別表1※損害保険算出機構「地震保険基準料率のあらまし」2022年10月発行より抜粋)

火災保険の割引制度

耐火建築物割引

耐火性能が高い建物に適用される割引です。建物の構造が鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造など、耐火性能が高い場合は、火災リスクが低いため、木造建物よりも割引が適用されることが多いです。

耐火性能住宅割引

一定の耐火性能を備えた住宅の構造を指し、火災時に一定の時間、火災の延焼を防ぐための基準を満たした建物です。

一般的に木造住宅では「省令準耐火構造」が採用されるケースが多く感じられます。

地震保険の割引制度

地震保険にはいくつかの割引制度があります。割引を受けるには、建物が一定の耐震基準を満たしている必要があります。

  • 耐震等級割引:住宅の耐震等級が高い(1〜3等級)場合に、最大で50%の割引
  • 建築年割引:1981年6月1日以降に建築された住宅(新耐震基準)には10%の割引
  • 免震建築物割引:免震構造の建物には最大50%の割引
  • 耐震診断割引:耐震診断に合格している住宅に適用される割引(最大10%)

尚、地震保険の割引は複数の割引に該当しても重複して適用することはできません。複数の割引に該当する場合、最も割引率の高い割引が適用されます。

地震保険加入の必要性

日本は地震が頻発する国であり、住宅に大きな被害をもたらすことがあります。特に、大規模な地震が発生すると、住宅が損壊したり全壊したりする可能性があるため、地震保険に加入しておくことはリスク管理の観点から非常に重要です。

まとめ

住宅ローンを利用する際には、火災保険に加入することが求められる場合が多く、そのために支払う保険料が住宅ローンに係る火災保険料です。保険料は建物の構造や補償内容、保険期間などによって異なりますが、万が一の火災や災害に備えるための重要な費用です。住宅ローンの選択時には、火災保険の内容と費用も考慮することが大切です。

住宅ローンを組む際、火災保険に加入することが多くの金融機関で求められますが、地震保険は火災保険に付帯して加入する形になります。地震保険は、地震や津波による損害を補償する保険であり、保険料は建物の構造や所在地によって変わります。また、耐震性能によっては割引を受けることもできるため、建物の耐震性能を確認し、最適な地震保険に加入することが推奨されます。